長期優良住宅や低炭素住宅など、住まいにステータスを付加する制度が存在します。しかしながら長期優良住宅や低炭素住宅に認定されたからといって、本当に住みやすく価値のある家なのかと聞かれると、正直疑問が残ります。住まいに与えられる認定証よりも大事なものについて考えてみたいと思います。
そもそも長期優良住宅・低炭素住宅とは?
長期優良住宅とは、文字通り長期にわたって住み続けられるための措置が講じられた住宅のこと。具体的には耐震性や省エネ性は十分か、数世代にわたって住宅の構造躯体が使用できるよう劣化対策がされているかなど、様々な基準が設けられています。一方、低炭素住宅とは二酸化炭素の排出を抑制するための工夫がされた住宅のことで、やはり一定以上の省エネ性能の基準が設けられています。いずれも2000年代後半以降に始まった制度で、目には見えない住まいの安心・安全・快適さを証明するものとしては確かに理にかなっているものと言えるでしょう。
安全・安心・快適な家づくりは当たり前!
では逆に長期優良住宅や低炭素住宅といった認定証がない家は安心して暮らすことができないのでしょうか?快適ではないのでしょうか?答えはNOです!家づくりにおいて何を重視するかによって、施工会社ごとにコンセプトは違ってきます。例えば大手のハウスメーカーには、しっかりとした保障体制や安心安全を謳うところ、機能性に力をいれている会社が多く見られます。一方、地域密着型のビルダーには、ローコスト住宅に力を入れているところもあれば、デザインやオリジナリティを重視しているところなど様々です。そうした施工会社の住宅が安心・安全・快適を疎かにしているわけではありません。むしろ、それらは当たり前にクリアしたうえで、自社の特色を出しながら家づくりをしているところがほとんどだと思います。もちろん、全ての会社がそうだとはお約束できませんが、そうでない会社(特に注文住宅を手掛けているところ)は今の時代、生き残っていくのが難しいはずです。
家づくりにどれだけ私的な価値を持たせるかが重要
つまり、わざわざ手数料や申請料をかけてまで証明した長期優良住宅や低炭素住宅の住まいのステータスは、ほとんどの住宅でも必要な条件として担保されている部分だというわけです。だからこそ、本当に満足できる家を建てるには、家づくりというイベントにどれだけ私的な付加価値を与えられるかが大事なのではないでしょうか。自分たちでこだわった想いの詰まった家だからこそ、「いつまでも住んでいたい」「早く家に帰りたい」という気持ちが沸くのであって、長期優良住宅の家だからと言って同じ想いに駆られるわけではないように感じます。たとえそれが自分たち家族だけの価値だとしても、それを最高の価値だといえるような家づくりをしていきたいと思っています。実際、長期優良住宅の認定証がない家でもしっかりとした快適性や機能性を誇る家であれば、資産価値も上がるはずです。現に、長期優良住宅以上の価格がつけられている中古住宅もたくさん存在します。
りのいえが目指す本当に価値のある家
りのいえが目指す住まいは、家族だけの私的価値と快適で安全な公的価値を兼ね備えながら、その方だけの仕様でつくる世界にひとつだけのデザイン住宅です。そのために、目に見える認定証が必要であれば発行することも厭いませんが、そこに予算をかけるのであれば、一生に一度の家づくりのイベントを彩る自然素材や、早く家へ帰りたくなるようなこだわりの空間づくりに力を注ぐほうが、満足できる家を建てられると思います。
家づくりのカタチは家族の数だけあります。「機能性に特化した住まいが住みやすいのか?」「大手メーカーが施工した家だから快適なのか?」「デザインだけがカッコいい住宅でいいのか?」本当に満足できる家の答え探しは、家づくりを考え始めた瞬間から始まっていると思います。少なくとも、長期優良住宅であることを証明する認定証が、私的価値と公的価値の両方を満たしてくれるとは限りません。想いの詰まった最高の住まいを叶えるため、一緒に答え探しができたらと考えています。