松下経営塾で学んだことで、“衆知経営”という言葉があります。
これは、みんなで考えることで、
全員の知識を吸い上げて経営を行うということです。
口で言うのは簡単ですが、難しい要素が何個かあります。
一つ目の要素は、上役の人が、聞き役に徹する感覚が必要だということです。
自分は聞き役に徹しているつもりだけど、
聞き役になれていない上役の人はたくさんいます。
聞き役と言っても上役の場合、
コーチングレベルの傾聴力を持たなければならないし、
組織にもコーチングスキルを定着させないといけない為、
衆知経営はとても難しいのです。
目安箱を設置するということではなく、
みんなが良い意見を言い合える環境にしなければならないからです。
一番早くたどり着くには、やはりコーチングスキルの向上が必須です。
二つ目の要素は、出てくる意見のレベルです。
意見の出始めは、小学生レベルの意見を言っても良いのですが、
適したレベルの意見が出てこないと意味がありません。
出てきた意見がどのような効果をもたらすか、
最終的には結果が出ないとわかりませんが、
結果を求められてしまうと、意見を出しづらくなってしまいます。
そのため、役職者以上の人については、結果にたどり着けるように工夫し、
出た意見をまとめ上げられる能力を発揮することに切り替えてほしいのです。
以上2つの要素を念頭に入れて、
意見を取りまとめることができれば、
衆知経営がうまくいくことでしょう。