こんにちは。
今日は、リビングのお話です。
みなさん、一般的なリビングの広さは何畳だと思いますか?
そうです。大体16畳。
20畳だと少し広いかなというイメージです。
しかし実際住んでみると、16畳だと物足りないなと思うようです。
それはなぜか。
リビングは、家族のコミュニケーションの観点から言った場合、広い方が良いからです。
家族間では狭いと言われるパーソナルスペースですが、ある程度の距離感は必要です。
いくら家族でも、外にいてほしい時も多々あります。
しかし、同じ空間にいて、存在を確認し合える時間が長ければ長いほど良い。
よって、程よい距離をキープしつつ同じ空間にいるというのが、
理想の状態だと私たちは考えます。
正直言うと、私の家のリビングは狭く作りました。
狭い方が、家族が近い距離で強制的に配置されるので、仲良くなると思っていました。
しかし、家族といえど、疲れる(笑)
程よい距離感がほしいと思いました。
だけど、見えないところまで行ってはダメ。
見える距離で程よい距離感を常にキープするためには、
ある程度の広さが必要だと感じることができました。
とは言っても、20畳のリビングはなかなか作れません。
ここまで話していてなんですが、この写真のリビングは16畳です。
これは、リビングという空間に、階段スペースを共有部分としてくっつけました。
リビングそのものは16畳ですが、
そこに廊下と階段を一緒に溶け込ますことによって、
広く見えるだけでなく、実際に広い空間にいる感覚になる。
トータル床面積は変わらないけれど、広いリビングが実現できます。
「広いリビングがほしい!」という事実を得るために、
お金をかけられないところは、設計でカバーしましょう。
図面上ではただの16畳のリビングですが、実際に見ると、
階段と廊下の壁がなく、隣り合っていることで、24畳~30畳の広さに感じます。
この距離感が、家族にとってちょうどいいのです。
余談ですが…
吹き抜けを作る等、解放面積を広くすると、暖房設備はどうなるんだ?
と思われる方もたくさんいらっしゃると思います。
しかし、現在の住宅は、どこで建ててもものすごく高断熱高気密です。
それが当たり前の時代です。
ここに壁を作ることで、コミュニーケーションが圧倒的に分断されてしまいます。
吹き抜けの光熱費のデメリットより、家族の末永い幸せを重視してください。
この階段部分の吹き抜けを通して、家族がどこにいても程よいプライバシー性を保ちつつ、
気配を感じ取れる距離感に必ず居ることができます。
そこに壁が10枚もあると、同じ屋根の下に住んでいるだけであって、
別の家に住んでいるのと同じことになってします。
リビングを中心としたとき、子供の気配が感じられない部屋は創ってはいけない。
居るかわからない部屋を作ってしまったら、一緒に住んでいる意味がない。
ご飯だけ一緒に食べる、子供が帰ってくるみたいになってしまう。
それは、家族ではなく同居人です。
家の本質は、時代によって変わります。
機能的な差がなくなったこの時代、家族の本当の幸せは、
「機能」ではないということに、多くの人は気づいているのではないでしょうか。
コミュニケーションの分断されない距離感だったり、
家族の思い出が残る空間だったり…ということが重要なのです。