私の記憶では、ディズニーランドが一番うるさく言っていたのが、実は「身だしなみ」でした。
もちろん、あいさつについてもうるさいとまでは言われませんでしたが、
身だしなみについてはみんなが当たり前に気をつけていました。
ディズニーランドの身だしなみがすごいところ、
それは「ディズニールック」というやつです。
多分ですが、このディズニールックのコンセプトは2つあって、
一つ目は、「ゲストが主役であり、キャストはおもてなしをする立場である。
だからキャストは自分が心地良いようなファッションや化粧をしてはダメだよ」ということ。
二つ目は、それは「身だしなみを画一化すると、規律が整う」ということ。
これはディズニーランド側は言っていないのですが、私が後になって気づいたことです。
要は、「軍隊の制服」とまでは言いませんが、
身だしなみを画一化することで一人ひとりが自分勝手な個性を出さなくなります。
悪い言い方をすると個性が奪われるとも言えるのですが、
これによってどうなるかというとみんながルールを守り出すようになります。
「決められたことを守らなきゃ」という、軍隊のような一種の錯覚に陥ります。
私はこれが身だしなみを整えることの影の狙いだと思いました。
私たちの身近なところに置き換えると、
例えば銀行や大手の企業を見ると女性社員は自社の制服を着る、
男性はスーツを着るとなっていますよね。
でもライブドアのようなスーツを着なくていいよという文化の企業は、
社員の個が出ているような感じがします。
服装を型にはめると、行動も型にはまらなきゃという気持ちが無意識の内に芽生えて、
みんながルールを守り始めるようになるのではないでしょうか。