物を食べるために指を動かす、相手を話すために椅子に座る、疲れてきたから横になるなど、
私たちはすべて感覚で動いています。
“感覚で動く”、これは人間としてごく当たり前なことです。
ここからは経営者の話になりますが、経営者も一人の人間ですので相手(例えば部下)を
「あの人の雰囲気は好感が持てる」「あの人はなんとなくちょっと苦手だな」
といった感覚で見てしまいます。
一方で、
「(毎月の目標は達成できているけど)なんとなく頼りない感じに見えるからダメだな」
などの事実を無視して感覚だけで見てはいけないということも忘れてはいけないでしょう。
しかし、前述のとおり、世の中のほとんどは感覚で判断されているから、
感覚で判断されているという要素もあるという難しさがありますよね。
経営は事実に基づいて行うべきです。
しかし、お客様が必ずしもそうかと言われればそうではないでしょう。
例えば世の中で売れている商品だからどのお客様に売れるかと言われればそうではないですし、
お客様もその日の気分や体調などで本当は欲しかった商品でも、
買わないということもありえます。
こちらが理論に基づいて間違いないことだと思っても、
相手が「なんとなく合わない」といった感覚で判断してくれば、
その感覚が正しいと言えてしまうことも覚えておかなければならないですね。
この辺りは人間や経営の難しさでもあり、面白さとも言えます。
ちなみに孫正義氏はデータ分析を重視していて、
統計学を社員に身につけて欲しいと考えているスキルの一つに
挙げていると聞いたことがあります。