今日は小屋裏収納のお話です。
日本の建築基準法上、小屋裏収納は高さ140cm以下の天井高にしないといけません。
そうすると、床面積にカウントされないからです。
それを利用して、2階と屋根の間に140cmの小屋裏収納を作り、
はしごや階段で登れるようにしますが、結果的にほとんど使いません。
はしごより階段だと多少利用しやすいですが、
荷物を一度上に上げると、二度と開けない可能性もあります。
ましてや、この部屋に入ることすらなくなってしまいます。
正直言って、作って意味のない部屋になってしまうことが多いのが現状です。
しかし、この現実を逆手に取ったアイディアで、
小屋裏収納を有効活用する方法を考えました。
それは、「思い出」空間にすることです。
子供の工作物や賞状、昔の自分の物など、
捨てたくても捨てられないものを保管する場所として、
小屋裏収納をタイムカプセルとして使用するんです。
いわば「思い出保管場所」。
ほとんど機能していない部屋なので、物が置きっぱなしでも問題ありません。
思い出は、常に見えるところに置いていると、
思い出ではなくなってしまいます。
音楽もそうです。
昔の曲を引っ張り出してくると、最初は懐かしい気持ちで聴いていますが、
聴きすぎると、そのうち懐かしくなくなってきます。それと一緒。
つまり、思い出の品というのは、しょっちゅう見なくても、
忘れたころに見るのがちょうど良いんです。
新しいものを持っていったときに、ついでに見るくらいがちょうど良い。
逆に、それ以外の使い方は思い浮かびません。
よっぽどの反抗期の子供が閉じこもるとかあるかもしれませんが、
夏は暑いし冬は寒いので、長時間は居られないでしょう。
うちのお客様では、オススメしている屋根の形状もあり、
小屋裏収納を付けたいという人はいませんでした。
今後現れた時には、タイムカプセルとして使用するというお話をしたいと思います。