家づくりをはじめるときにオシャレさやカッコよさなど、見た目のデザインから『りのいえ』に興味を持っていただけることがあります。もちろん、とてもありがたいことなのですが、本当に魅力的なデザインというのは見た目だけではないと考えています。私が考える良いデザインとそのために『りのいえ』が大切にしていることをお話しします。
本物の素材を使い普遍的なデザインに
人はなぜデザイン住宅に惹かれるかを考えてみると、ファッションと同様に自分を認めてほしい承認欲求が根底にあるような気がします。ただし、家は長く住まうもの。トレンドが変遷する中で、流行に左右されない普遍的な優れたデザインの家を追求したいですよね。そのカギが本物の素材を使うこと。たとえば本場のレンガを使ったイギリス住宅は100年経っても重厚でカッコいいですが、レンガ調のサイディングではどうしても安っぽく見えてしまいます。
“環境が人間を整える”居心地の良さ
そうした本物の素材にセンスや技術を少し加えるだけで、かなり居心地のよい空間ができるはずです。具体的に挙げると、「窓や線のラインをそろえる」「線をなるべく少なくする」「線をなるべくシャープにする」といったところでしょうか。ごちゃごちゃ感がなくなりスッキリとした空間は、心を落ち着かせます。整った環境は人の心も整えてくれるはずです。
デザイン=家づくりの全ての要素を包むもの
このように、本当に優れたデザインは、見た目だけではなく心まで満たしてくれます。機能性、導線、設備、間取り、計画、構造、素材、色、インテリアなど家づくりを取り巻くあらゆる要素を包むものこそ、私が考えるデザインの役割。そこがアートとの大きな違いです。見た目のオシャレさばかりを追求したアーティスティックな住宅は、時に作り手のエゴにより機能性や安全性が置き去りにされているように思います。全体を包み込むだけでなく、中身もきれいに整理整頓したデザインを『りのいえ』では目指しています。
何より大事なのはヒアリング
そのために最重要になってくるのが、どれだけお客様の気持ちを引き出せるかということ。お客様が言葉に出せる部分だけでなく、言葉にならない気持ちの部分にまで共感し、心の奥底まで覗き込むくらいヒアリングを徹底しています。お客様の持つイメージにとことんシ ンクロすることで、デザインの中身を整理整頓が可能になるわけです。すると、自ずとたくさんの引き出しの中からどれを選べばいいかも見えてきます。さらに、選んだ引き出しを自由に取り入れて建築できるのが自由設計ならではの強みです。
見た目のイメージが先行しがちなデザインですが、技やセンス以上に、どれだけお客様の心に共感できるかが重要だと思います。