前回、マーケティングを進めていくための一つ一つのステップは、
高いレベルで行わなければならないというお話をしました。
今回は、ステップ1としてお客様のニーズを知るために、
どのような考え方が必要なのかを3つに分けてお話します。
①ニーズを知るために必要なこと
私はお客様のニーズを知るということに関して、
「何となくお客様の欲しがっていそうな物を知る」というだけで受け止めていました。
また、お客様の”欲しい”レベルがどのくらいなのかも想像できていませんでした。
表面的なアンケートでは、どのレベルの“欲しい”なのかわかりません。
大企業は、ビッグデータを駆使すれば出てくかもしれませんが、
中小企業はそうはいきません。
そこで、中小企業でのお客様の深層心理を引き出すためのテクニックとして、
地道にコーチングを行うことが大切だと考えます。
3~4人集めて、座談会形式の集団コーチングも良いかもしれません。
深層心理には、「恥ずかしいので言わない本心」と、「気付いていない本心」があります。
例えば、ジムに通う人に、「なぜジムに通うのか?」というアンケートを取るとします。
すると、「美容と健康のため」「運動不足」などが出てくると思います。
しかし、裏の気持ちはどうでしょう。「モテたい!」という理由もあるはずです。
その裏の気持ちが、コーチングによって引き出されるのです。
②本当に欲しいものを知るためには
なぜマーケティングのアンケートでお客様のニーズを知ることが難しいのかというと、
お客様が欲しいものは、お客様自身もわかっていないからです。
マーケティングで使われる“ニーズ”と”ウォンツ“という言葉から考えてみます。
ニーズとは、生活しているうえで何かが不足している状態から沸き起こる欲求です。
ウォンツとは、ニーズを満たすための特定の物が欲しいという欲求です。
“ニーズ”と”ウォンツ“を理解したうえで、お客様の本心を見抜けるかが重要です。
③ウォンツの検証
ニーズを知りウォンツまで高めていけたとしても、
そのウォンツが正解かどうかの検証が必要です。
大手企業の場合、ウォンツの部分を探り当てて、
なおかつそのウォンツの部分がお金を払ってでも欲しいものなのか、
という検証をきちんと行っていきます。
一方、中小企業でやりがちなのは、ウォンツの検証をきちんと行わずに、
自分たちに都合よく解釈して事業を始めてしまうことです。
結局需要がなかったということは良くあります。
①から③の流れで、高いレベルでのニーズ調査を行うことで、
マーケティングの次のステップに進んでいきます。