日本の建築において、家が傷む一番の原因はシロアリでした。
しかし現代では、家を創るうえで一番気を付けなければならないのは、通気です。
気密性が高くなったことで、空気の通り道をきちんと確保することが重要になりました。
昔の家は、壁の中も家の中も、隙間が多く、自然と空気が流れていました。
今の家は性能が良すぎて通気が取れないので、計画的に考えないと、
「全体的には通気が取れてるのに、部分的には取れてない」
ということが起こってしまいます。
気密性を高くするのは良いけれども、それ以上に空気の通り道をきちんと計画しないと、
建物の寿命が変わってきます。
今の建物は、通気と雨仕舞いが完璧であれば、
100年でももつのではないでしょうか。
逆に言うと、今の性能でも、通気が悪ければ寿命が半分になります。
そのくらい通気は大事なのです。
通気は主に外壁側のお話です。
柱と外壁の間に通気層というのがあって、
そこを通って軒裏や屋根にも空気が流れます。
このような通気がされていないと、空気がよどんで結露したりと、
建物の傷みが激しくなります。
日本の建築で一番の天敵は、湿度、ジメジメ。
通気は空気の流れだから、目で見てわかる物ではないので難しいですが、
きちんと通気計画を行うことが大切です。