前回は、ハザードマップ浸水想定区域の土地を購入した際、
家を建てる上で重要なのは、火災保険の水災補償というお話をしました。
今回は、家を建てる際の工夫についてお話します。
まず大事なことは、例えば浸水想定1mの場合、ポイントとなる場所から1mの所に、
1階の床がつかないようにするということです。
要するに、基礎までは沈んでも良いのですが、
床下の断熱材部分には触れないようにするということです。
1985年頃、福島市をはじめとした阿武隈川沿いの市町村が、
豪雨により被害を被った、「8.5水害」という水害がありました。
そのときに沈んでしまった過去がある家を、
私たちが建て替えしたことがありました。
当時の浸水の高さがわかっていたため、
その高さが1階の床につかないように建てました。
そしたら、昨年の台風の際、
ちょうどその高さより上には水が上がらなかったのです。
もちろん基礎は水浸し。
しかし、建て替えの際に水抜き穴をつけていたので、
自然と水が抜け、家自体のダメージは全くありませんでした。
もし床下の断熱材が濡れていた場合はどうだったのでしょうか。
濡れたままにしておくと、1階全域にカビが生えてしまいます。
そうするとカビによる健康被害も生じるでしょう。
水害によるリフォームにおいて、
表面だけキレイにして終わりという業者もたくさんいます。
お客様の予算の関係もあるため何とも言えませんが、
その家に住むことで病気になってはどうしようもありません。
どんな水害が起こるかわからない世の中ですので、
沈まない家づくりと火災保険の水災補償については、
ご家族で今一度考えてみてはいかがでしょうか。