余裕の空間が無く、ギリギリで設計すると、
後で変えたいと思った時、どうしようもなくなることがあります。
そのため、余裕を持った設計をすることをおすすめします。
2割くらい余裕を持った感じで考えた方が良いです。
よくよく考えるとそんなに収納はいらないのに、
収納がたくさんなければだめだとか。
この空間はこのくらい広くなければだめだとか。
空間は広くしたいという先入観からか、
どんどんスペースを無駄遣いしてしまいます。
では、店舗設計における空間づくりは、どのように注意したら良いのでしょうか。
①人と人のパーソナルスペース
事務所やレストランに特に多く見受けられますが、
空間にたくさん詰め込むことにより、
パーソナルスペース(他人に近づかれると不快に感じる空間)を壊してしまって、
居心地が悪くなり、生産性が下がり、結果的に経営が悪くなってしまうのです。
例えば、お店のカウンターに椅子を8脚で良いところ、10脚並べてしまうとします。
すると、お客様同士の距離が近くなり、カウンターにお客様は座らなくなります。
まさに本末転倒です。
また、あとから席を増やしたい、機械を置きたいとなったレイアウト変更の場合にも、
余裕があると良いですよね。
②導線
店舗設計において、導線を考えすぎる人がいます。
廊下が狭いと、人と人がぶつかるからダメだとか。
しかし、よく考えてみると、不要な考えもあるんです。
例えば、事務所の中で通路部分を作るとします。
すると、人がすれ違えないことを指摘する人が出てきます。
しかし、その通路は1時間に2~3人通る程度の通路なので、狭くても問題ありません。
1時間に100人通る廊下と、2~3人しか通らない廊下を同じ感覚で考える人が多くいます。
このように、感覚だけで考えてしまうと、どんどん無駄な空間が増えてしまいます。
理論的に考えて、本当に必要な空間を考えてほしいものです。
実際に店舗運営しているところを想像して、本当に必要な空間を考えてください。
収納に関しても考え方は同じです。
収納は面積ではなく、仕組みです。
稼働棚を付ける等、工夫次第で、同じ面積でも収納量が2倍も3倍も変わります。
事務所やお店の収納は特殊。
それを想定した収納を考えなければなりません。
システム収納と言っても、専門の収納は無いので、
設計の段階である程度、収納計画を作る事が重要です。
そして、2割の余裕を残す、8割収納を目指すことをおすすめします。
以上の点に注意して空間を考えてみると、より良い店舗づくりができるはずです。