またまた断熱性のお話です。
今日は、魔法瓶から断熱性を考えます。
さて、2つの魔法瓶を買いました。
一つ目の魔法瓶は、本体と蓋の間に隙間がある、C値の低い壊れた魔法瓶です。
また、UA値も低く、蓋が閉まっていても真空されないので、
お湯を入れてもすぐに冷めてしまいます。
二つ目の魔法瓶は、隙間がなく、真空もされる高性能の魔法瓶です。
さて問題です。
Q この二つの魔法瓶の水の温度はそれぞれ何度でしょうか?
A 答えは、「同じ温度」です。
壊れた魔法瓶に100℃の熱湯を入れたとしましょう。
高性能の魔法瓶には60℃のお湯を入れます。
1時間後、壊れた魔法瓶は80℃で、高性能の魔法瓶は60℃のままでした。
壊れた魔法瓶は20℃も下がりましたが、高性能の魔法瓶は下がりません。
しかし、1時間後に温度が低いのは、高性能の魔法瓶です。
何が言いたいのかというと、いかに高性能の魔法瓶でも、元々の温度が低ければ、
あまり意味がないということです。
つまり住宅で考えると、エアコンやストーブなどの熱源のパワーが弱ければ、
意味がないということです。
こういったことは結構あります。
熱が逃げないための気密性(C値)と断熱性(UA値)です。
家の中を何かで暖めないと効果が出ないということは、
意外とみなさんわかっていないように感じます。
また、エアコンを適切な位置につけることも、断熱効果を上げるためにとても大事なことです。
基本的には長手方向に取り付けます。
吹き抜けがあれば、シーリングは必須です。
空気の対流計画も大事ということです。
窓の配置は特に大事です。
C値、UA値はある程度の値であれば問題ない。
室内の熱源を最適に保つ。
この二つのバランスが良ければ、納得のいく断熱効果が得られるでしょう。
①気密性と断熱性と窓の配置
②バランスの良い熱源の選択と配置